【見逃せない】 七宝(七宝焼)の魅力や作り方を余すことなく解説|歴史・技法・価格まで徹底解説

七宝(七宝焼)は、美しい色彩と独特の技法により、世界中のコレクター美術家から愛されています。
七宝の釉薬によって生み出される、輝く色彩や決して真似することのできない曲線模様。七宝を眺めているだけで、時を忘れてしまい没頭してしまいます。
そんな美しい七宝の魅力を多くの人に知ってもらい、理解していただきたい。そんな思いで本記事を書きます。
「七宝の歴史を詳しく知りたい…」
「七宝ってなんで、こんなに美しいのか?」
「どんな技法によって、この美しさが再現されているの?」
そんな七宝の美しさに関する疑問について、本記事は解説いたします。
日本人らしい細やかな色彩美と模様作り、多くの人たちを魅了してしまう七宝のすばらしさを多くの人に知ってもらいたいです。
それでは、参ります。
七宝(七宝焼)とは
七宝(しっぽう)は、金属や陶器の表面にガラス質の釉薬を絵の具のように塗り、高温で焼成することによって美しい模様や色彩を表現する日本の伝統工芸技法です。
その名は、もともと中国で生まれた「七宝」という仏教の語から来ており、実際には七つの宝物を意味しますが、美しい色と光沢を持つガラス質の釉薬を用いることから、この名が付けられました。
七宝(七宝焼)の歴史
現代で超絶技巧と評される七宝は、江戸時代後期に梶常吉(かじつねきち)によって生み出されました。
名古屋の骨董品店で店主からオランダ渡りの七宝の皿を譲り受け、そのお皿を割り、どのように制作されているのかを研究したといわれております。その後、梶常吉は五寸ほどの七宝の鉢を完成させます。
七宝は、その美しさや技術的価値が高く評価され、明治時代を代表する美術品となりました。現在では多くの作品が国内外の美術館で展示されております。
代表的な作品としては、三の丸尚蔵館蔵の並河靖之作【七宝四季花鳥図花瓶】や東京国立博物館蔵の濤川惣助作【七宝富嶽図額】などがございます。【七宝富嶽図額】に関しては平成23年に重要文化財に指定されております。
七宝の歴史について詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。

七宝(七宝焼)の特徴
七宝は、金属や陶器の表面に釉薬を塗って焼成することで、美しい透明感や色彩、独特の光沢を生み出します。
また、線で囲んだ空間に釉薬を塗ることで、緻密な模様や立体的なデザインを表現することができます。七宝はその美しさから、アクセサリーや小物、インテリアなど幅広い用途で使われています。
七宝(七宝焼)の魅力
七宝の魅力は、その美しい色彩や光沢、独特の質感にあります。
また、手作りのため、一つ一つがオリジナルであり、熟練の技を持つ作家によってさらなる芸術性が追求されます。
また、七宝は耐久性が高く、長い間その美しさを保つことができるため、家族代々受け継がれる家宝としても親しまれています。

七宝(七宝焼)技法
七宝には、幾つかの基本的な技法があります。その一つが「錫細工」で、金属の表面に模様を刻んでその上に細かく砕いたガラスを散布し、焼成することで模様を表現します。また、「蒔絵」という技法では、背景に金属を使用し、その上に金属を細かく砕いたガラスを散布して表現する方法があります。
そして、七宝の技法には、それぞれ異なる手順と注意点があります。
例えば、「錫細工」では、まず金属に模様を刻んでから、錫を薄く鍛えて細かく砕き、模様の上に散布します。その後、窯で焼成することで模様が表現されます。
注意点としては、散布する錫の量を適切に調節することが重要であり、錫の厚みや均一性にも注意が必要です。また、「蒔絵」の場合は、背景に金属を使用するため、金属の熱伝導率が高いことから、均一な温度で加熱することが重要です。
下記の記事で七宝の技法について解説していますので、ぜひご覧ください。

七宝(七宝焼)の作り方
七宝の種類と特徴
七宝には、有線、無線、盛上、省胎など多数の種類が存在します。
【有線】は一般的な技法で文字通り植線を使い、図柄を表現します。
【無線】は途中までは有線と同じ工程ですが焼成前に植線を抜き取ります。それにより釉薬が微妙に溶け合い、絵画的な柔らかな輪郭線が表現出来ます。高度な技術が必要とされます。
【盛上】は有線七宝の一種で植線よりも釉薬を高く盛り焼成する技法です。
【省胎】は有線と同じように釉薬を差して焼成します。その後に金属の素地を硝酸で溶かして取り除きます。釉薬と植線だけが残ることによって繊細な光の透過効果が得られます。
材料と道具の用意
七宝を作るためには、金属の素地、釉薬、植線(金、銀、真鍮などの金属線)などが必要です。また、加熱するための専用の電気炉が必要です。これらの材料や道具を用意しておきましょう。
下記の記事で七宝の作り方について解説していますので、ぜひご覧ください。

七宝(七宝焼)の有名作家
並河靖之
並河靖之は、日本で有名な七宝作家です。明治時代の日本を代表する七宝家の一人で、京都を中心に活躍しました。
有線七宝にこだわり続けて近代七宝の原点を作り、東京で活動した無線七宝を得意とするライバルの濤川惣助と共に、二人のナミカワと評される世界有数の七宝作家です。
以下の記事で並河靖之に関して詳しく解説しておりますので、ぜひ読んでみてください。

濤川惣助
無線七宝による絵画的表現を特色とする日本で有名な七宝作家です。
濤川の作品の特徴は、無線七宝という革新的な技法を採用していることです。
無線七宝では最終的に釉薬を焼き付ける前の段階で敢えて植線を取り外すことにより図柄の輪郭線がなくなり、それぞれの釉薬の境界で釉薬が微妙に混ざり合うことで微妙な色彩のグラデーションを生み出します。
林小伝治
林小伝治は明治時代に活躍した尾張の工芸家です。七宝のを作品を世に残した人物でもあり、世界に広めた人物でもあります。
江戸時代末期、開港したばかりの横浜へ出向き外国人に初めて尾張七宝を販売して、明治政府の七宝輸出のさきがけとなります。
下記の記事で詳しく七宝の有名作家について書いてありますので、ぜひ御覧ください。

七宝(七宝焼)の購入
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七宝に関しましては、日本初の明治期七宝専門店でございます。
七宝・浮世絵をメインに古美術品から現代アートまで取り扱っております。
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まとめ
今回は七宝(七宝焼)に関する情報を網羅的に解説しました。
現代では、真似することのできない超絶技法を施された七宝。その美しさから、世界中からの評価が非常に高いです。
七宝は、美しい色彩やデザイン、素材の特性や表現力など、多くの要素が組み合わさって作られる工芸品です。
だからこそ多くの人に魅力を知っていただきたいので、今回の記事を書きました。
七宝の歴史から有名作家、特徴など知ってより一層七宝に魅了されていただきたいです。
銀座真生堂では、そんな魔法のような魅力をもった七宝を主に取り扱っている専門店です。
ギャラリーでは直接手にとって七宝を観察することもできますので、ぜひご来店ください。