骨董品

骨董品を収集する方法とは?骨董品収集のコツから魅力まで紹介

info@x-knock.com
  • 骨董品ってどうやって集めたら良いの?
  • 収集におすすめの骨董品はなに?

骨董品は、時を超えた美しさを楽しめたり、歴史的・文化的背景を学べるなど多くの魅力があります。実際に、収集家として骨董品を集めている人も多くいます。

なかには、最近骨董品に興味を持ち始め、集めてみたいと感じている方もいるでしょう。ただ、どう収集すべきかなど、かわからないことも多いはずです。

そこで本記事では、骨董品収集の方法を紹介します。あわせて収集の魅力やコツまで解説するので、ぜひ参考にしてください。

骨董品の収集方法4選

骨董品の収集方法は、主に次の4つです。

  1. 骨董品店に行く
  2. 骨董市で購入する
  3. 人から買ったり譲り受ける
  4. ネットショップで購入する

以上の4つについて詳しく見ていきましょう。

1.骨董品店に行く

1つ目は、骨董品店に行くことです。実物を直接見て手に取れるため、骨董品の状態や質感を確認してから買える安心感があります。

骨董品店は、プロがいく場所というイメージが強く、初心者には足が運びづらいと思っている方もいるでしょう。しかし、実際は専門知識が豊富な店主が多く、相談しながら購入できるため安心です。

また、お気に入りの店を見つけて店主と顔馴染みになると、探している品が入荷した際に声をかけてもらえるなど、有益な情報を得やすくなります。

2.骨董市で購入する

出典元:東京国際フォーラム

2つ目に、骨董市で購入することです。骨董市は各地で定期的に開催されています。骨董市は屋外で多数の骨董商が集まるため、一度に見られる骨董品の数が多く、初心者に最も向いた方法です​。

開放的な雰囲気で参加しやすく、入場無料のことが多いため気軽に見て回れます。出店される品は数千円~数万円程度の手頃な価格帯のものが中心で、一点物との思いがけない出会いもあります​。

初心者はまず近場の骨董市に足を運び、雰囲気を楽しみながらお気に入りを探してみると良いでしょう。

3.人から買ったり譲り受ける

3つ目は、人から買ったり譲り受ける方法です。骨董品収集を趣味にする人は自然と交流関係が広がり、骨董品の情報交換が行われることがあります​。

人とのつながりから売買の話が持ち上がるケースは珍しくなく、コレクター同士で譲り合ったり、先輩収集家から安価で譲ってもらえることもあります。

また、親の遺産相続などでもらえるケースも珍しくありません。ただ、親からの遺産相続で骨董品に30万円以上の値が付く場合は、相続税もかかるので注意しましょう。

4.ネットショップで購入する

4つ目は、ネットショップで購入することです。最近は骨董品専門のオンラインショップも増えています。

ネットショップもオークションと同様で、様々な商品を画像で一覧でき、家にいながら全国の骨董品を比較検討できる手軽さが魅力です。

初心者にとっても、写真や説明が充実していて問い合わせに丁寧に応じてくれる販売店なら安心して利用できます。

骨董品収集の4つの魅力

ここからは、骨董品収集の魅力を4つにまとめて紹介します。

1点物との出会いがある

1つ目の魅力は、1点物との出会いがあることです。大量生産品ではない骨董品は、素材の風合いや経年変化も含めて一つひとつ個性が際立ち、同じものは二つと存在しません。

例えば、アンティーク家具でも木目や色合いがそれぞれ異なり、年月を経て唯一無二の味わいが生まれています。この一期一会の出会いこそ、骨董収集の醍醐味であり、骨董市では唯一無二の品物と出会える喜びがあります。

自分だけの宝物を発見したときの喜びは格別で、それが収集欲をかき立てる大きな要因になるでしょう。

資産として価値が上がる可能性を秘めている

2つ目の魅力は、資産としての骨董品の価値が上がる可能性を秘めていることです。その時代にしか作られなかった稀少な品や有名作家による作品、保存状態の良いものなどは市場価値が年々上がる傾向があります​。

例えば、古い陶磁器が後に高値で取引されたり、無名だった画家の絵画が再評価されて一気に価格が跳ね上がるケースです。

また、希少価値の高い一点物や、現代では再現不可能な技法の作品は、時を経るほど価値が増す可能性を秘めています。

もちろん、流行の影響で値下がりするリスクもあるものの、骨董品には単なる古いものではない『持っているうちに価値が育つ』楽しみがあります。

時を超えた美しさを鑑賞できる

3つ目の魅力は、時を超えた美しさを鑑賞できることです。骨董品は長い年月を経てもなお色褪せない美しさや風格を備えており、それを鑑賞できるのも大きな魅力です。

例えば、古い陶器の釉調や木製家具の艶は時代を重ねることで現代品にはない深みを増しています。古いものにできた変色や傷も劣化ではなく味わいと捉え、時間を経て生まれた美として愛でるのが骨董の世界です。

骨董品を鑑賞することは、古の美意識に触れることであり、新品にはない癒やしや感動を与えてくれます。

歴史的・文化的背景を学べる

4つ目の魅力は、歴史的・文化的背景を学べることです。骨董品一つひとつが語り部で、古い品物にはそれが作られ、使われてきた時代の生活様式や物語が宿っています。

例えば、日本刀といえば、作られた年代や使った作者がわかれば、その持ち主であった武士の人生や作者の作品歴を知ることができます。

また、ある掛け軸や絵画を見れば、描かれた当時の社会背景や作者のメッセージを読み取ることができるのです。骨董品収集を通じて得た知識は教養として蓄積され、収集家自身の世界観を広げてくれるでしょう。

【初心者向け】骨董品収集のコツ3選

では、初心者はどうやって骨董品を収集したほうがいいのでしょうか。ここでは、初心者向けの収集のコツを紹介します。

近くの骨董市に足を運んでみる

出典元:東京国際フォーラム

初心者が骨董品収集を始めるなら、まずは地元や近郊で開かれている骨董市に行ってみましょう。

骨董市は誰でも参加できるため、見て回るだけでも勉強になります。最初は買う目的を決めず、いろいろな品物を眺めて、自分の気になる骨董品を探すのがおすすめです。

また、欲しいものが決まっていなくても、数多くの品を目にするうちに自分の好みや興味の方向性がはっきりしてきます。ただ、初心者が陥りがちなミスは、初めから高額な物に手を出してしまうことです。

最初は高額なものを避け、数千円程度の低い予算で買える範囲から始めましょう。

好きな骨董品の種類から集めてみる

骨董品は、陶磁器や絵画、茶道具など多岐にわたりますが、初心者はまず自分が興味を持てるものを集め始めるのがコツです。

関心のある分野であれば知識も吸収しやすく、調べていく過程自体が楽しくなります。例えば、焼き物が好きなら陶器や磁器から始めてみる、絵が好きなら版画や絵画から始める、といったものです。

自分の『好き』を指針にすることで、手に入れた後も愛着を持って大切にできます。骨董品の金銭的な価値も気になりますが、見た目や雰囲気などの直感で選びましょう。

展覧会に行ってみる

骨董市やショップでの収集と並行して、美術館・博物館の特別展や企画展に足を運ぶこともコツのひとつです。プロが所蔵する一級品を鑑賞することで、目が肥え、観察眼が養われます。

例えば、焼き物に興味があるなら陶磁器の展示会に行くと、歴史的名品に出会えるでしょう。初心者のうちは実物を見る経験を積むほど『良いもの』と『そうでないもの』の違いが分かり、収集の参考にもなります。

また、展覧会では作品の解説が充実しているため、知識を深める絶好の機会でもあります。茶道具展で茶碗の格や来歴を学べば、骨董市で茶碗を手に取った際に見る視点が増えるでしょう。

展示を通じて骨董品の本来の使われ方や文化的文脈を知ることで、自分の持っている古い器を実際に日常で使ってみる楽しさにもつながります。

初めてでも手軽に取り入れられる骨董品なら陶器や絵画がおすすめ

初心者が収集を始めるのに扱いやすく、比較的手に入れやすい骨董品としては陶器や絵画が挙げられます​。なぜなら、これらは生活にも取り入れやすく、気軽に購入できる価格帯のものが多いからです。

例えば、陶磁器の伊万里焼や九谷焼は、状態の良いものであっても数千円〜数万円と手頃な価格帯から見つかります。また、浮世絵の復刻版や無名画家の作品などはリーズナブルな価格で市場に出ています。

陶磁器や絵画は、湿気や直射日光への配慮が必要ですが、扱いも比較的気を遣わずに済むものが多いことが特徴です。欠けや飾る環境さえ注意すれば、保存も難しくありません。

初めてでも予算に余裕がある方には超絶技巧の七宝焼がおすすめ!

初めてでも予算がある方は、七宝焼もおすすめです。特に、明治期に作られた七宝焼は超絶技巧品と呼ばれ、価値の高いものが多くあります。

例えば、明治期の並河靖之と濤川惣助の作品は数百万円以上の価値があります。これだけ価値が評価されているのも、緻密な細工が施されており、細部に至るまでこだわりがあるからです。

また、その技術力は現代では再現不可能なことも価値を高める1つの要因となっています。以下の記事では、並河靖之の作品について詳しく書いているので、参考にしてください。

あわせて読みたい
【並河靖之の七宝(七宝焼)作品を解説】代表作・特徴・変化を紹介
【並河靖之の七宝(七宝焼)作品を解説】代表作・特徴・変化を紹介

人気の高いおすすめの骨董品3選

ここでは、日本で特に人気が高くおすすめされる代表的な骨董品ジャンルを3つ紹介します。

  1. 七宝焼
  2. 漆器
  3. 古美術

それぞれ概要や歴史的価値、市場での人気度や価格相場について簡潔に解説します。

1.七宝焼

七宝焼は金属の素地にガラス質の釉薬を高温で焼き付けて彩色する伝統工芸です​。滑らかなガラスの光沢と鮮やかな色彩が特徴で、その輝きは経年による劣化がほとんどなく永遠に美しさを保つとも言われます。

特に明治時代には輸出工芸品の花形として発展し、七宝の壺や飾皿は当時非常に高価で取引されました。例えば、明治期の並河靖之や濤川惣助といった著名な七宝焼作家の作品は数百万円以上の値がつくことで、有名です。

以下の記事では、七宝焼について詳しく紹介しているので、気になる方はぜひ見てください。

あわせて読みたい
【見逃せない】 七宝(七宝焼)の魅力や作り方を余すことなく解説|歴史・技法・価格まで徹底解説
【見逃せない】 七宝(七宝焼)の魅力や作り方を余すことなく解説|歴史・技法・価格まで徹底解説

2.漆器

漆器は木や紙などの素材に天然漆を塗り重ね、研ぎ出しや蒔絵(まきえ)などで加飾した工芸品です。漆黒や朱色の艶、金銀粉で描かれた蒔絵の華やかさは海外でも高く評価されています。

歴史的価値として、漆芸品は茶道具や調度品として重宝され、時の権力者や貴族の愛用品も数多く伝わります。例えば、徳川将軍家ゆかりの蒔絵箪笥や、千利休が好んだ黒楽茶碗など、漆芸は日本文化に深く根付いた芸術です。

そのため、全国各地の美術館で展示されたり、骨董市場でも根強い人気を誇ります。ただ、漆器は状態によって価値が大きく左右されるため、適切な保存方法が必要です。

以下の記事では、漆器について詳しく紹介しているので、気になる方はぜひ見てください。

あわせて読みたい
【伝統工芸品】漆器とは?歴史や魅力、種類まで詳しく紹介
【伝統工芸品】漆器とは?歴史や魅力、種類まで詳しく紹介

3.古美術

出典元:MOA美術館
出典元:刀剣ワールド

古美術(こびじゅつ)とは、美術的価値の高い古い時代の工芸品や芸術品全般を指す言葉です。骨董品とほぼ同義ですが、中でも美術的鑑賞価値が高いものに重点が置かれたカテゴリーと言えます​。

例えば、天皇家伝来の調度や、大名家ゆかりの茶道具、室町〜江戸期の刀剣・甲冑、鎌倉期の仏教彫刻などは典型的な『古美術品』です。

どれもが美術館に展示されるものばかりで、希少なため、極めて高価になります。なかには重要文化財となり、取引不可のものもあるほどです。

そのため、コレクターの間では、将来的に骨董収集に慣れてきたらぜひ挑戦してみたい分野と言えるでしょう。

以下の記事では、古美術について詳しく紹介しているので、気になる方はぜひ見てください。

あわせて読みたい
【完全網羅】古美術とは?基本情報から楽しむ方法まで徹底解説
【完全網羅】古美術とは?基本情報から楽しむ方法まで徹底解説

骨董品を収集するときの注意点

骨董品収集はロマンあふれる趣味ですが、その反面いくつか注意しておきたいポイントもあります。以下では初心者が陥りやすいトラブル例とその回避策を、注意点ごとにまとめます。

贋作に気をつける

まず、贋作に気をつけましょう。骨董品市場では、本物に似せた贋作が出回ることが多々あります。例えば、有名作家のサインが入った掛け軸が実は後年の模写だった、古銭だと思って買ったらレプリカだったなどです。

特に、高名な陶器や絵画ほど贋作が多い傾向にあります。そのため、購入方法に関係なく、信頼できる鑑定書や保証がついている店から買いましょう。

もし、どうしても不安な場合は、自分で専門家に鑑定してもらうのも一つの手段です。一度偽物を買うと金銭的ダメージだけでなくショックも大きいので、初心者のうちは割高でも信用のおけるルートで購入する方が安全でしょう。

骨董品の状態を確認する

次に、骨董品の状態を確認しましょう。なぜなら、骨董品の保存状態によって価値が大きく左右されるからです。

例えば、陶器のヒビや欠け、絵画のシミや退色、漆器の割れや剥離、金属器のサビなどです。後々、気付いて落胆することのないよう、購入前に細部まで状態をチェックしましょう。

また、共箱付きの茶碗を落札したが、実際は箱の蓋が別物だったケースもあります。そのため、わからない部分は確認したり、納得のできない状態の骨董品には手を出すこと自体控えましょう。

事前に集める骨董品の相場を調べる

3つ目に、事前に集める骨董品の相場を調べることです。なぜなら、骨董品には明確な定価がないからです。似たような陶磁器でも、由来や需要によって値段は大きく異なります。

同じ作者の作品でも大きさや出来映えで何倍も価格差が出ます。事前に図録や専門書、インターネットオークションの落札相場データなどを参考にして、おおよその目安を把握しておきましょう。

また、値付けの根拠が不明な場合は遠慮なく売り手に質問し、その回答をまた調べるくらい慎重でも良いでしょう。

骨董品の保管方法

手に入れた骨董品を適切に保管することも非常に重要です。主な骨董品の保管方法として、次のものが挙げられます。

  • 高温多湿な場所は避ける
  • 直射日光を避ける
  • 適度に風通しをする

上記のことを行うだけで、骨董品の価値を守ることに繋がります。適切に保管し手入れを行うことで、骨董品の価値と美しさを末長く保てるでしょう。

銀座真生堂では明治工芸品を取り扱っております

銀座真生堂では、明治時代に作られた工芸品『七宝焼』を取り扱っております。七宝焼は美しい模様や色彩が表現され、現代の技術では再現できない超絶技巧品です。

銀座真生堂は、唯一の明治期の七宝焼専門店として常時、並河靖之、濤川惣助など名工の作品を保有しています。美術館などでガラス越しにしか見ることができなかった並河靖之、濤川惣助の作品を実際にお手に取って鑑賞、ご購入出来る唯一のギャラリーです。

また、銀座真生堂では所有している作品を美術館での展覧会へ貸出すなど文化活動も行なっております。ご興味のある方は、気軽にお問い合わせください。

まとめ

本記事では、骨董品収集について詳しく解説しました。骨董品収集は、時を超えた美しさを鑑賞できたり、歴史的・文化的背景を学べるといった多くの魅力があります。

初心者の方は、絵画や陶磁など比較的手を出しやすいものから始めてみましょう。骨董品収集は、趣味として行っている人も多く、新たな出会いや魅力で溢れています。

その魅力を楽しみながら、骨董品収集家としての一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。本記事があなたのお役に立てることを願っております。

執筆者
銀座真生堂
銀座真生堂
メディア編集部
七宝焼・浮世絵をメインに古美術品から現代アートまで取り扱っております。 どんな作品でも取り扱うのではなく私の目で厳選した美しく、質の高い美術品のみを展示販売しております。 このメディアで、美術品の深みや知識を発信していきます。
記事URLをコピーしました