七宝(七宝焼)

濤川惣助の七宝に対する情熱が詰まった「七宝花鳥図三十額」

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迎賓館赤坂離宮には、濤川惣助が制作した七宝額が飾られています。高度な技術・技法で作られており、七宝を日本の芸術品として知らしめた作品といえます。

「花鳥の間」と「小宴の間」に飾られた32面の七宝額

濤川惣助は七宝に対して、従来の有線の表現ではなく、絵画のような滲みを求めていました。そして試行錯誤の末、新しい技法として無線七宝を開発したのです。

七宝を工芸品から芸術の域まで高めた濤川惣助。赤坂離宮の七宝額にも、濤川惣助の技術が惜しみなく使われています。迎賓館赤坂離宮に飾られた七宝額は、「花鳥の間」に30面、「小宴の間」に2面の計32面です。下絵は渡辺省亭が手がけています。

迎賓館赤坂離宮の七宝額一覧

迎賓館赤坂離宮に飾られた七宝額32面をご紹介します。

花鳥の間「七宝花鳥図三十額」

【西壁】

  • 雉に蕨
  • 山雀に芙蓉
  • 黒鶫に木瓜・山桜
  • 雲雀に罌粟・桜草
  • 懸巣に蔦
  • 鷦鷯に額紫陽花
  • 淡紅鸚哥に科木
  • 大行々子に葦
  • 赤啄木鳥に檜
  • 小鴨に葦
  • 尉鶲に牡丹
  • 鵲に木大角豆
  • 百舌に山茶花・榛の木
  • 鳩に紅葉
  • 大瑠璃に黄蜀葵
  • 田鷸に薄・葦・吾木香

【南壁】

  • 燕に夾竹桃
  • 巴鴨に葦・寒菊
  • 椋鳥に烏瓜
  • 山翡翠・翡翠に柳
  • 鶫に黄櫨・竜胆
  • 眞鴨に葦

【東壁】

  • 鶉に蓼・野菊・釣鐘人参
  • 駒鳥に藤
  • 鷭に花菖蒲
  • 小千鳥
  • 小鷺
  • 矮鶏
  • 山鴫に萩・月
  • 雀に稲

小宴の間 七宝額

  • 海の幸
  • 山の幸

迎賓館赤坂離宮で濤川惣助の最高傑作に触れる

32面の中でも特に評価されているのが「矮鶏」です。トサカや羽根のボリュームある質感、息づかいを感じるような矮鶏の眼の動きなど、その迫力に見た人は思わず息を飲むほど。濤川惣助が持てる技術のすべてを駆使した作品といっても過言ではありません。

普段は迎賓館赤坂離宮に一般の方が入ることは出来ませんが、定期的に一般公開も行っています。機会があれば、鑑賞に行ってみてはいかがでしょうか。

濤川惣助の作品をお探しの際は銀座 真生堂をご利用下さい。濤川惣助をはじめ、並河靖之や林小伝治など明治期の名工が手がけた七宝、浮世絵などをご用意しております。海外から仕入れて販売するため、日本では入手が困難だった作品とも出会えます。名工の想いが詰まった逸品を銀座 真生堂でお探し下さい。

執筆者
銀座真生堂
銀座真生堂
メディア編集部
七宝焼・浮世絵をメインに古美術品から現代アートまで取り扱っております。 どんな作品でも取り扱うのではなく私の目で厳選した美しく、質の高い美術品のみを展示販売しております。 このメディアで、美術品の深みや知識を発信していきます。
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